Web2ライクにサクッとログイン!色んなWeb3認証方式まとめ

Web2ライクにサクッとログイン!色んなWeb3認証方式まとめ

2025/07/27 公開

これまで Web3 アプリケーションの認証と言えば「まずはウォレット接続」というイメージが強く、ユーザー体験(UX)は今ひとつだと感じておりました。しかし近年は SNS ログインや Gmail、パスキー など、Web2 に近い手軽な認証手段を導入するサービスが出てきています。

この記事では、様々なDAppを取り上げながら「どのような認証方式を採用し、背後でどのプロバイダーを利用しているのか」を見ていきます。

※本記事の内容は2025年7月時点の調査に基づくものです。各サービスの認証方式は変更される可能性があります。
記載内容の正確性には注意を払っていますが、最新情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。

1. Privyを利用しているサービス

privyの会員登録・ログイン画面(Zora https://zora.co/)

  • Zora

    URL: https://zora.co/
    メール認証だけで無料ミント用ウォレットが自動生成される。ガス代無料キャンペーンも多く、オンボーディング速度は最速クラス。

  • OpenSea

    URL: https://opensea.io/
    メールアドレスだけで自己管理型ウォレットが発行され、そのまま NFT の売買が可能。既存のEOAと併用もできる。
    privyはメアド認証に使っています。

  • Paragraph

    URL: https://paragraph.com/
    ブログCMS 。ユーザーとクリエイター双方がメール認証でウォレットを保持し、NFT ドロップや有料記事に活用できる。

2. Web3Authを利用しているサービス

Web3Authの会員登録・ログイン画面(Heroes of Mavia https://www.mavia.com/)

  • Heroes of Mavia

    URL: https://www.mavia.com/
    Google ログインで即座にゲームを開始できる。MPC 鍵によりバックアップと復元も容易。

  • Anichess

    URL: https://anichess.com/
    Gmail、Discord、X など多数の ID プロバイダーに対応。ブラウザでチェスを開始するだけで裏側でウォレットが生成される。

3. Alchemy Account Kit を利用したデモ/テンプレート

現時点では正式採用 DApp はまだ少ないものの、ERC‑4337 LightAccount とガススポンサー機能 を手軽に試せる SDK として注目が集まっております。

Alchemy Account Kitの会員登録・ログイン画面(Smart Wallets Demo https://demo.alchemy.com/)

4. RainbowKit を利用しているサービス

RainbowKit はウォレット接続のUIライブラリであり、ソーシャルログインではなく既存 EOA(MetaMask など)のUX向上を目的としております。

RainbowKitのウォレット接続画面(ENS App https://app.ens.domains/)

  • Link3

    URL: https://link3.to/
    Wagmi と RainbowKit を組み合わせ、多彩なチェーンとウォレットに対応。UI のカスタマイズ性も高い。

  • ENS App

    URL: https://app.ens.domains/
    ENS ドメインの登録画面で RainbowKit を採用し、多数チェーンへシームレスに接続できる。

  • Kwenta

    URL: https://kwenta.eth.limo/

    先物取引に対応した DEX で、複数ウォレットを簡単に切り替えられる UX が好評。

各プロバイダーの特徴(要点)

  • Privy
    • 鍵を3片に分割し、TEE(Trusted Execution Environment: 安全実行環境)で保護。
    • ワンタップ登録が可能でオンボーディング速度が非常に速い。
    • ソーシャルアプリや NFT マーケットで採用例が多い。
  • Web3Auth
    • MPC(Multi-Party Computation: 秘密鍵を複数の断片に分割して管理する技術)により復元が容易。
    • Google、Apple、Discord など 30 以上の ID プロバイダーに対応。
    • モバイル SDK が成熟し、ブロックチェーンゲームで定番。
  • Alchemy Account Kit
    • 複雑なアカウント抽象化の実装を数行で導入可能。
    • ガススポンサー(Paymaster)機能をセットで利用可能。
    • PoCやAA体験デモに最適。
  • RainbowKit
    • WagmiベースでUIをカスタマイズしやすい。
    • 既存EOAユーザーの接続UXを底上げできる。
    • DeFiやツール系DAppで採用例が多い。

まとめ

Web2ライクなメール認証やSNS認証を導入するサービスが想像以上に増えており、UX が大幅に向上していると感じました。
一方で、DAppごとにアカウントが生成されるため、アカウントが乱立しやすい点は課題だと思います。
同じプロバイダーを利用していてもアカウントが統一されないケースが大半で、Metamaskのように「どのサービスでも同じアカウントをそのまま使える」体験と Web2 ライクな UX が組み合わさることができたらもっとUX良くなるんじゃないかなと感じました。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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