Web3って、正直UX良くはない?
2025/06/15 公開
はじめに
最近、Web3の技術を学び始め、実際にDApp(ブロックチェーン上で完結するアプリケーション)を作ったり、触ったりしています。
ブロックチェーンの仕組みやスマートコントラクトは新鮮で、学習自体はとても楽しいです。ただ、実際に使う立場になると、「これは普通の人には厳しいのでは?」と感じる場面がいくつかありました。
今回はそんなぼやきを、DAppの代表例を参考にしながら書いていきます。
代表的なDAppの例
- Uniswap
→ 無人の「野菜直売所」のようなもの。誰かが預けた資金(例:ETH/USDC)を自動で交換できます。 - OpenSea
→ NFT版の「メルカリ」。誰でもNFTを売買できるマーケットプレイスです。
1. ウォレット接続がわかりづらい
DAppを使うには、まず「ウォレット」の接続が必要になります。
ウォレットとは、身分証明+鍵+財布のようなもので、Metamaskなどの外部サービスの利用が前提です。
これがちょっと面倒。特に「シークレットリカバリーフレーズ(12語の呪文)」の扱いは初心者にはハードルが高く、紛失したら資産が永遠に戻ってこないリスクがあります。
一方で、ウォレット一つで複数のDAppにログインできるのは大きな利点です。XやFacebookのようにサービスごとにアカウントを作る必要がなく、パスワード管理からも解放されます。
2. ガス代って何?ってなる
DApp上で取引をすると、ガス代と呼ばれる手数料がかかります。
このガス代は、時期やネットワークの混雑状況によって変動するため、「いつが安いのか」「そもそもいくらかかるのか」が非常にわかりにくいです。
また、「L2ネットワークを使えば安くなる」という情報は広まっていますが、ウォレットにチェーンを追加したりブリッジで資産を移したりする手順は、暗号資産に不慣れなユーザーにはまだ敷居が高いのが現状です。
3. UIが軽すぎて逆に怖い
DAppは、UIがシンプルすぎて不安になる場面があります。
ちなみに、物は試しにOpenSeaでNFTを購入してみたところ、画面上では「Buy」ボタンを押し、Metamask側で送金の確認ボタンをタップしただけで決済が完了しました。わずか 3 ステップ(購入 → 確認 → ウォレット承認)で数万円相当の資産が動くスピード感は驚きつつも、確認画面や注意喚起が少ないぶん怖さも強く感じます。
4. 「稼げる」が先に来てしまう問題
「稼げる」が先に来てしまう問題
DAppを紹介する記事やSNSで目にする「〇〇すると稼げる!」というコピー。これ自体がWeb3の敷居を上げる一因だと感じます。
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報酬が目的化するとUX改善が後回しに
「いかに早く稼ぐか」というKPIが先に立ち、ユーザビリティやセキュリティが二の次になりがち。
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トークン価格=モチベーション
トークンが暴落するとユーザー離脱が一気に進み、プロダクトが死ぬリスク。
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初心者ほど“楽して稼げる”に釣られる
結果、損をしてWeb3全体への不信感が高まる負のループが起こりやすい。
とはいえ、「ユーザーが経済圏の一員としてリターンを得られる」のは Web3 の魅力でもあります。
今後はPlay to Own(ゲーム内アイテムや土地などをNFTとして所有して価値を高めるモデル) やUser to Earn(開発、翻訳、コミュニティ運営などユーザー貢献に応じて報酬を得るモデル)など、価値創出が先・報酬が後という設計が増えると期待しています。
おわりに:ユーザー目線でもっと面白く
Web3 の可能性にワクワクしつつも、「これじゃ普通の人が使えないかも」と感じたポイントを自分なりに整理してみました。まだまだ学びの途中なので、間違いやこうした方が良いというアイデアがあればぜひ教えてください。
これからも使いやすさとWeb3らしさの両立を探りながらDApp作りに挑戦していきます。読んでくださった皆さんの気づきや体験も、ぜひコメントで共有してもらえると嬉しいです!